前回のおさらいです。
人事マネージャー業務も軌道に乗ったところで、そろそろ単身赴任を解消し、家のある地方へ戻ることになりました。
その次のポジションが、皆様の期待通りの未経験職種でした。
この頃、会社のコンサルタント職は、人材担当コンサルタント(登録者側の担当)と営業担当コンサルタント(企業の求人担当)が一つになり、両面担当コンサルタントになっていました。
その両面担当コンサルタントが、私の新しいポジションなのです。
「今ではベテランの人材コンサルタントも、昔は転職素人だったのです」シーズン1、シーズン2の合計8話を読んで頂いた読者の方は、もう、ご存じと思いますが、アラフィフおじさんは、法人営業経験が皆無なのです。
(今、人材業界では、前職営業経験が必須です。これ、失敗の確率99%)
またもや風雲急を告げ始めていたのです。

さて、4つめの未経験職種でアラフィフおじさんは、成功できるのでしょうか。
さて、この頃、会社もずいぶん大きくなったので、担当業界が細分化されていました。
私が任された業界は、建設・不動産業界です。
(実は、この業界は、まったく知らない。通勤の電車で、学生向けの業界本から専門的な本まで、延べ30冊を読破して身に着けました)
早速、昨年の実績を検索してみますと、成約1件のみ・・・・・。
(えええ・・・。これは厳しい!)
だれも注力していない部門なので、求人がほとんど過去の内容であり、募集していないのが実態でした。
さらに、会社のデーターベースに、この業界の該当人材がいないのです。
そうなんです。誰も注力していなかっため、この業界の方と面談をしていないので、該当人材がいないのです・・・・。(前途多難。どうすればいいのか)また、業界の特性から人材紹介会社を使って転職する方は、ほとんどいないのです。
建設不動産は業界内の人間関係で転職する方が多く、人材紹介会社の存在自体知らない方が多いのです。

これは、新規開拓しかない。(どうやって?やりかた知らないアラフィフおじさんですが・・)人材はスカウトするしかない。(どうやって?コンサルタントの現場離れて3年経過していましたので、いろいろと変わっていました。)
人材業界経験10年のベテランコンサルタントの私には、 社内に新規開拓営業をアドバイスしてくれる方はいませんでした。
なんとかやってくれる優秀なコンサルタントと思われているようでした。(すいません、法人営業経験ないですとは言える雰囲気は、まったくないのです。言えませんでした。)

他の領域のコンサルタントが、会社から配布される人材との面談および、データーベースでの既存登録者へ着々と紹介する中、私は、ほぼ1名で担当する領域のため、どこからも人材が入ってきません。
それなりの規模の人材紹介会社にいるのに、その資産をまったく、活用できない。まるで、企業内での新規部門立上げ状態です。
その日から、新規面談は、自分がスカウトした人材のみとなりました。
他部署のコンサルタントが、会社の登録者呼び込み部門からの配布による面談がありましたが、私の担当領域は皆無の状況です。
来る日も来る日も、面談がないため、健康的に? 定時での帰宅が続きました。
一方では、求人の新規開拓をしなければなりません。

法人営業経験皆無の私にできるのかと悩んでいる時間はないので、データーベースにある既存の取引先に、電話入れてアポを取り、いざ訪問開始。
とりあえず、新規開拓営業の本を買って、基本を押さえました。
(なんか、学び方が違うような気がしますが・・・。しかし期待に応えるためにも、営業できるふりで頑張るしかありません。営業未経験のアラフィフおじさんなのに。)
人材登録が一定量になるまで、成約が見込めませんので、企業が求める条件ではなく、苦肉の策ですが、こちらからの提案で、経験業界が異なる人材を紹介をすることに致しました。
企業は、通常、人材紹介会社は有料のため、即戦力人材を求めてきます。

例⇒不動産の土地売買仲介営業職であれば、専門性が高いため、他の業界の営業職では、あきらかに即戦力にはなれません。
そうなんです。営業の蓄積のないアラフィフおじさんは、前例のない経験業界異なる人材紹介コンサルティング手法で、この危機を乗り切るしかないと決心。
そこで、業界が異なるデーターベースに存在する人材を、別の能力や経験を前面に出して、売込むしかない。(人材紹介会社では、ポテンシャル若手層以外、通常は、このような紹介は通用しませんが・・・。
そこで、過去に使ったPowerPointによるプレゼン資料を作成し、売り込みました。
詳細は、下記からどうぞ。

他のコンサルのように、人材売り込みの営業は出来ないので、企業の経営課題を解決する経営コンサルタントになろう
人材紹介というよりは、クライアントの会議室で、その企業の経営課題を説明し、その課題を解決するためには、このような組織を作り、このような戦略で進めると、解決できるプレゼンをしたのです。
そのために、今回、紹介する人材のこの経験が役に立つのですと強調しました。

さらに、この領域で成約が決まるまで、会社の中で、どこもやっていない業界や地域であれば担当できるように、上司に了解をとりました。
アプローチする地域を、拠点から電車で1時間以上かつ、紹介会社では、通常サポートしない企業をターゲットに営業を開始しました。
例―>運送会社の車整備の工場長候補。それも都市部から車で2時間オーバーの地方勤務

営業所から電車で、約2時間で、企業の最寄りの駅(無人駅)に着きましたが、バス停もタクシー乗場もないのです。
最寄りの駅から車で20分ですから、歩いていけません。
そこで、電話でタクシーを呼ぶため、電話ボックスを探したのですがないのです。
では、商店にあるだろうと探したところ、あったのは床屋さんだけ。
そこに入ったところ、親切にもタクシー屋さんに電話をしてくれて、何とか約束の時間に無事、企業にいくことが出来て、契約が出来ました。
(往復5時間のこの企業と契約する人材紹介会社はないでしょう。堂々の独占求人です・・・?)
しかし、この案件の「車修理整備の工場長候補経験者」は、スカウトサイトにもいなかったので、社内のデーターベースで経験は無視して検索し、そこに住んでいる方全員に電話して、友人知人に自動車修理経験者がいないかを聞きました。
今、思いだすと、よくここまで、やったと褒めてあげたい気持ちです。
本当に必死だったのでしょう。
その甲斐あって、この案件は決定したのです。

会社のデーターベースの登録者の知人に、同じ経験の方がおり、たまたま
転職活動していたのです。
その詳細は、また、機会がありましたら、掲載したいと思います。
営業未経験のアラフィフおじさんの苦労は、まだまだ続きます。
引退まで、あと10年!家のローンはないが、大学生予備軍2名います。
次回に続く
アラフィフおじさんの転職日記をまとめました。興味ある方は下記からどうぞ。


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